オススメ本紹介します

-本好きなかたの本選びのヒントに-

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2020-02-27 (Thu)

「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ

「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ

「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ(2019年、創元推理文庫、1100円)一人称語り手「わたし」は、TVドラマや映画の脚本を書いています。つまり、著者ホロヴィッツ(「刑事フォイル」の脚本家)そのままの存在感で、小説中に登場してくるのです。刑事ドラマの監修を担当している、ホーソーンという元刑事がいます。(あまり人好きのする人物ではない。)仕事を離れてのつき合いなどまったくないこの男から、ある日と...

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メイン無題

「メインテーマは殺人」アンソニー・ホロヴィッツ
(2019年、創元推理文庫、1100円)


一人称語り手「わたし」は、TVドラマや映画の脚本を書いています。
つまり、著者ホロヴィッツ(「刑事フォイル」の脚本家)そのままの存在感で、小説中に登場してくるのです。

刑事ドラマの監修を担当している、ホーソーンという元刑事がいます。(あまり人好きのする人物ではない。)
仕事を離れてのつき合いなどまったくないこの男から、ある日とつぜん連絡があります。
「今、ひじょうに興味深い殺人事件の捜査を依頼されている。私がこの事件を解決する経過を密着取材すれば、第一級の犯罪ルポ本が書けるはずだ。どうかね?」という申し出です。

半信半疑ながら、結局はこの話に乗ってしまう「わたし」です。
強引なホーソーンに引っ張りまわされて、スピルバーグとの仕事のチャンスをみすみす失ったりしながらも...。

さて、肝心の殺人事件はこんな感じです。
<ある日初老の女性(有名俳優の母親)が葬儀社を訪ねてきて、自分の葬儀の段取りをテキパキと整える。
自分の死に際して、息子に迷惑をかけたくないからと。
まさにその日の午後、女性は何者かに殺される。
その後、むごたらしい第二の殺人も起こり...。>


文章がうまく、ストーリー進行によどみがなく、まったく読者を飽きさせません。
そして事件解決のあかつきには、すべての辻褄がみごとなまでにピタリと合うのです。
「ブラヴォー!」という賛嘆が、自然に口をついて出てきます。

じつにじつにすぐれたミステリでした。「三大ランキング総なめ」も納得です。
(わたし的には「カササギ殺人事件」より好きです。上下巻でなく1冊にすっきりまとまっているのもGOOD!)
2020-02-24 (Mon)

<2連覇とは!>

<2連覇とは!>

2018年に、「カササギ殺人事件」というミステリ小説が、①「このミステリがすごい!」(宝島社)②「ミステリが読みたい」(早川書房)③「週刊文春ミステリベスト」という3大ミステリランキングでオール1位を獲得したのは、まだ記憶に新しいところです。著者アンソニー・ホロヴィッツは、2019年発表の次作品で、まったく同じ快挙をなしとげました。オ・ド・ロ・キ! です。いまだかつて、こんなことは一度もありません。図...

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2018年に、「カササギ殺人事件」というミステリ小説が、
①「このミステリがすごい!」(宝島社)
②「ミステリが読みたい」(早川書房)
③「週刊文春ミステリベスト」
という3大ミステリランキングでオール1位を獲得したのは、まだ記憶に新しいところです。

著者アンソニー・ホロヴィッツは、2019年発表の次作品で、まったく同じ快挙をなしとげました。
オ・ド・ロ・キ! です。いまだかつて、こんなことは一度もありません。

図書館予約を待っていては何ヶ月かかるかわからないので、思い切って買って読みました。
で、どうだったのか...。
次記事でお伝えします。
2020-02-21 (Fri)

「しらふで生きる」町田康

「しらふで生きる」町田康

「しらふで生きる」町田康(2019年、幻冬舎、1500円)先日ひさしぶりに本屋に立ち寄ったら、この本が、平台のわりあい目立つところに置いてありました。その数日後、朝日新聞に「しらふで生きる」という記事が載り、この本のことが紹介されていました。「そうだ、酒の飲み過ぎが気になる次男(アラフォー)に、この本を読ませてみよう」と思いつき、本屋に行って買ってきました。で、読み始めてみると...。「ダメだコリャ」でし...

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しらふ無題

「しらふで生きる」町田康
(2019年、幻冬舎、1500円)


先日ひさしぶりに本屋に立ち寄ったら、この本が、平台のわりあい目立つところに置いてありました。
その数日後、朝日新聞に「しらふで生きる」という記事が載り、この本のことが紹介されていました。

「そうだ、酒の飲み過ぎが気になる次男(アラフォー)に、この本を読ませてみよう」
と思いつき、本屋に行って買ってきました。
で、読み始めてみると...。

「ダメだコリャ」でした。
本好きなわたしでさえ読みあぐねてしまうほど『つまらない本』、本嫌いな息子に読み通せるはずがありません。

酒好きで毎日酒を飲んできた著者の内部に、ある日、「酒をやめてみよう」という考え(分身)が生まれます。
酒を飲みつづけたい著者は、その分身と争ったあげく、渋谷の歩道橋から突き落とします。
突き落としたあとで後悔にさいなまれる著者。

なぜ急に「酒をやめよう」などと言い出したか、分身に聞いてみたいのに、それがかなわない。
ああ、何だか気になる...。

みたいな書き出しで、このモチーフがかなり長いことつづくのです。
「あほらし、勝手に自問自答してれば、ふん」って感じです。
その後の展開(論理)も、観念的でまったく面白くない。

このジャンルなら、「上を向いてアルコール」(小田嶋隆)のほうがずっと魅力のある本だと思います。
(なのでこの本、「オススメではないけれど」カテゴリーに収納します。) *ちなみに著者町田氏は作家です。


2020-02-09 (Sun)

「コンビニ人間」村田沙耶香

「コンビニ人間」村田沙耶香

「コンビニ人間」村田沙耶香(2016年、文藝春秋、1300円)数年まえの芥川賞受賞作品です。当時はあまり興味もなかったのですが、このあいだ新聞で激賞されていたので、読んでみたくなりました。一人称語り手『私』(女性)は、小さいころから風変わりな子どもでした。幼稚園のとき、公園で、死んだ小鳥を見つけます。ほかの子はかわいそうがって泣いたりしているのに、『私』は張り切って母親のところに飛んでいき、「今晩これを焼...

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コンビニ

「コンビニ人間」村田沙耶香
(2016年、文藝春秋、1300円)

数年まえの芥川賞受賞作品です。
当時はあまり興味もなかったのですが、このあいだ新聞で激賞されていたので、読んでみたくなりました。

一人称語り手『私』(女性)は、小さいころから風変わりな子どもでした。

幼稚園のとき、公園で、死んだ小鳥を見つけます。
ほかの子はかわいそうがって泣いたりしているのに、『私』は張り切って母親のところに飛んでいき、「今晩これを焼いて食べよう」と言います。⇒ のけぞる母親。
小学校低学年で男子が取っ組み合いのケンカを始め、「誰か止めて!」と女子たちが悲鳴を上げます。
「よしきた」と『私』は用具入れからスコップを取り出し、男子の頭を殴ります。⇒ 絶叫に包まれる周囲。

状況の枠組みがよく理解できず、トンチンカンというか、KYというか、異様な行動をとってしまうこの子ども。
今はやりの発達障害(アスペルガー)かもしれません、

成長とともに周囲との「ズレ」に気づき始めた『私』は、人間関係を避けて自分の殻に閉じこもるようになります。
でも、大学時代に始めたコンビニ店員のバイトが、『私』を解き放ちます。
コンビニ業務には厳密なマニュアルがあって、それが『私』を安心させてくれるのです。
(マニュアルどおりにやっていれば「ズレ」は生じない。)

居心地の良さに引きずられて、それから18年間同じ店でバイトを続けた『私』は、いま36歳になっています。
就職も結婚もしないでコンビニバイトをつづける『私』に、周囲はよけいな干渉をしてきて...。

この著者特有の「不気味感」があって面白かったです。

村田沙耶香さんの小説を3冊読んだけれど、やはり「しろいろの街の、その骨の体温の」がいちばん好きです。
(「スクールカーストのなかで芽生える身分違いの恋」がテーマです。)


2020-01-27 (Mon)

「ビラヴド」トニ・モリソン

「ビラヴド」トニ・モリソン

「ビラヴド」トニ・モリソン(1998年、集英社文庫、950円)  南北戦争直後の物語です。(北軍の勝利で、奴隷は解放されます。)解放奴隷のセサ(アラフォー女性)は、10代の娘デンヴァーとふたりで暮らしています。セサにはほかに3人の子どもがいたのですが、うちひとりはごく幼いときに亡くなります。その幼い女児の幽霊が家に住みついていろいろ奇怪な現象を起こすので、ふたりの男の子たちは家を出て行きます。でもセサは...

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トニ無題

「ビラヴド」トニ・モリソン
(1998年、集英社文庫、950円)
  

南北戦争直後の物語です。(北軍の勝利で、奴隷は解放されます。)
解放奴隷のセサ(アラフォー女性)は、10代の娘デンヴァーとふたりで暮らしています。

セサにはほかに3人の子どもがいたのですが、うちひとりはごく幼いときに亡くなります。
その幼い女児の幽霊が家に住みついていろいろ奇怪な現象を起こすので、ふたりの男の子たちは家を出て行きます。
でもセサは、愛する我が子の霊をひたすら受けいれ、デンヴァーも、そういう暮らしに慣れるしかありません。

そんなある日、ふたりのもとに「ビラヴド」(最愛のひと)という名の若い娘が身を寄せてきます。
これはもしかして、死んだあの子? デンヴァーにとってはいとしい姉さん?
3人の暮らしが始まります。そこに、奴隷時代の仲間だった男性も加わって...。

いったい何の話だ?とお思いでしょうね。
こんなふうにあらすじをかいつまんでみても、この本の持つパワーはとても伝えられません。

上記のようなストーリー枠組みの中で、セサの奴隷時代の生活が少しずつ少しずつ語られていきます。
若く魅力的な娘だったセサが、同じ農場の青年奴隷ハーレと結婚して子どもを産んだこと。
ハーレは足腰の弱った母親を「買い戻す」ために、休むひまもなくはたらいたこと。
農場主が死んで、新たな「ご主人」が農場にやってきたこと。
そして、そして...。

黒人奴隷の生活を描いた小説を、ここ数年で何冊か読みました。
「優しい鬼」「マーチ家の父」「地図になかった世界」「地下鉄道」

どれもすぐれた作品でしたが、今日ご紹介のこの小説も、じつにもう「すごい!」です。
じっと息を詰めながら読み、時にはあまりの緊張感から、本を閉じて呼吸をととのえたりもしました。
ピューリツァー賞受賞の、忘れ得ぬ作品でした。
2020-01-24 (Fri)

「ガットショット・ストレート」ルー・バーニー

「ガットショット・ストレート」ルー・バーニー

「ガットショット・ストレート」ルー・バーニー(2014年、イーストプレス、1900円)前記事でご紹介した「11月に去りし者」があまりに素晴らしかったので、同じ著者の他の作品を探したところ...。邦訳はほかに、この1冊しかないようです。ドレドレ...。40代の主人公シェイクはやはり陽気でハンサム、そしてやはり大きなギャング組織の幹部です。ある日ボス(アルメニア人女性)から命じられた任務は、単純なもの(のはず...

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「ガットショット・ストレート」ルー・バーニー
(2014年、イーストプレス、1900円)

前記事でご紹介した「11月に去りし者」があまりに素晴らしかったので、同じ著者の他の作品を探したところ...。
邦訳はほかに、この1冊しかないようです。ドレドレ...。

40代の主人公シェイクはやはり陽気でハンサム、そしてやはり大きなギャング組織の幹部です。
ある日ボス(アルメニア人女性)から命じられた任務は、単純なもの(のはず)でした。
車の積み荷を先方に届け、代わりの品物を受け取って戻る。(ただし、トランクの積み荷は見ないこと。)

しかしシェイクはトランクを開けてしまいます。
そして手足を縛られている若い女性ジーナを解放してしまいます。

ここで、シェイクとジーナは、組織の非情な追っ手に狙われる羽目に...。
ギャングものであること、追われストーリーであること、女性がからむこと、が「11月に去りし者」と共通していますが、こちらはずっとずっと軽いノリで、コメディ的な要素も目立ちます。

シリアス好みのわたしにとっては「11月...」のほうがずっと魅力的ですが、この作品(作者のデビュー作)、本国アメリカでの発表当時には、さまざまな書評でひじょうに高い評価を受けたそうです。

ルー・バーニーという作家、目が離せなくなりました。
2020-01-22 (Wed)

「11月に去りし者」ルー・バーニー

「11月に去りし者」ルー・バーニー

「11月に去りし者」ルー・バーニー(2019年、ハヤカワミステリ文庫、1093円)ハンサムで陽気な主人公フランク・ギドリー(38歳)は、ニューオーリンズギャング組織の若手幹部です。1963年11月、ケネディ大統領暗殺のニュースをテレビで見たかれは、自分の立場に恐怖を感じ始めます。あの日、自分が命じられた逃走用車両の手配は...。もしやケネディ暗殺犯のためだったのか...。もしそうなら、自分は消されるだろう...

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11月

「11月に去りし者」ルー・バーニー
(2019年、ハヤカワミステリ文庫、1093円)


ハンサムで陽気な主人公フランク・ギドリー(38歳)は、ニューオーリンズギャング組織の若手幹部です。
1963年11月、ケネディ大統領暗殺のニュースをテレビで見たかれは、自分の立場に恐怖を感じ始めます。
あの日、自分が命じられた逃走用車両の手配は...。
もしやケネディ暗殺犯のためだったのか...。

もしそうなら、自分は消されるだろう。
ケネディ暗殺計画にチラとでも関わらせた人間を、組織はためらわずに始末するはず。
(すでに周囲には、そういう気配がただよい始めていて...。)
フランクの必死の逃避行が始まります。

逃避行の道中、ひょんなことから、フランクは子供連れの若い母親シャーロットと出会います。
アル中の夫を見限り、幼い娘ふたりを連れて叔母の元をめざす気丈な女性です。
車の故障で、やむなくフランクの車に同乗することになる母娘。
(フランクにとっては、追っ手の目をくらますための、絶好の隠れみのです。)

しかし、フランクを追って組織が放った殺し屋は、じつにじつに非情な男です。
善良かつ聡明なシャーロットは、自分と子供たちの身を守れるのか...。また、フランクの運命やいかに...。

読みながら、ブラヴォー!と何度叫んだことか。
すばらしいミステリでした。超のつくオススメです。


2020-01-16 (Thu)

<わたしの「2019この6冊」>

<わたしの「2019この6冊」>

昨2019年は、「ブログ引っ越しにともなう索引リンク貼り替え作業」で忙しく過ごしました。そのためもあって、ご紹介したオススメ本はあまり多くありませんでした。それなのに、そのなかから印象に残る本を6冊も挙げられるのは、われながら驚きです。(6冊の配列は、オススメ順でなく読んだ順です。)1.「うつ病九段」先崎学 *闘病記うつ病闘病記として出色です。最高峰プロ棋士のひとりとして活躍していた著者は、ある日...

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昨2019年は、「ブログ引っ越しにともなう索引リンク貼り替え作業」で忙しく過ごしました。
そのためもあって、ご紹介したオススメ本はあまり多くありませんでした。
それなのに、そのなかから印象に残る本を6冊も挙げられるのは、われながら驚きです。
(6冊の配列は、オススメ順でなく読んだ順です。)

1.「うつ病九段」先崎学 *闘病記
うつ病闘病記として出色です。
最高峰プロ棋士のひとりとして活躍していた著者は、ある日とつぜんうつ病を発症します。
うつ病の苦しさがドラマチックかつ明快に描かれて、じつにもう引き込まれます。

2.「妻への家路」厳歌苓 *海外(中国)小説
ブルジョワ思想の持ち主として捕らえられ、政治犯収容所に20年も服役している男。
以前はさしたる愛情も抱いていなかった献身的な妻を、男は収容所の中で初めて激しく恋するようになります。
収容所の苛酷な暮らしのなかで募りゆく妻への慕情...。美しくも哀切な物語でした。

3.「ザ・プロフェッサー」ロバート・ベイリー *海外ミステリ
読み終わるのが惜しくて、ちびちびと読みました。
ブラック運送企業のトラックが、悲惨な交通事故を起こします。
裁判に勝つため、あの手この手の妨害工作を繰り出す会社側。受けて立つのは老法律学者...。

4.「ケイトが恐れるすべて」ピーター・スワンソン *海外ミステリ
読み終わるのが惜しくて...は上に同じです。
語り手がつぎつぎに変わる、驚きの新事実がこれでもかと出てくる、細かい伏線がすべて回収される、
など、目の覚めるようなミステリだったと思います。

5.「国宝」吉田修一 *国内小説
歌舞伎界に生きるふたりの若者を魅力的に描いた小説。もうもう夢中で読みました。
これだけのものを書くのに、下調べやら資料集めやら、どんなにたいへんだっただろうか...。
吉田さん、すごいです。

6.「きのね」宮尾登美子 *国内小説
やはり舞台は歌舞伎界。
こんどは、ある名門俳優(いまの海老蔵のおじいさんがモデル)とその妻が主役です。
この小説のテーマをひと言でいうなら「献身」でしょうか。宮尾登美子の筆が冴えわたります。
2020-01-14 (Tue)

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。たいへん長らく(たぶんこれまでにないくらい)ごぶさたしてしまったので、「もしかしてこのブログを投げ出す気?」と思われたかたも多いのではないでしょうか。イエイエイエ、投げ出したりはしません。2006年から、足かけ15年もつづけているブログです。昨年はブログ引っ越しも成功し、おおヤレヤレと喜んでいるところですし。ごぶさたしている(記...

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みなさま、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


たいへん長らく(たぶんこれまでにないくらい)ごぶさたしてしまったので、
「もしかしてこのブログを投げ出す気?」と思われたかたも多いのではないでしょうか。

イエイエイエ、投げ出したりはしません。
2006年から、足かけ15年もつづけているブログです。
昨年はブログ引っ越しも成功し、おおヤレヤレと喜んでいるところですし。

ごぶさたしている(記事更新がストップしている)のはひとえに
①忙しかったから
②体調が悪かったから
の2理由であって、いまはどちらの状況もやや好転しつつあります。

ご紹介したい本も数冊たまっていますが、最初は何よりまず、「昨年のまとめ」的な記事をアップしたいと思います。
例年扱っている新聞書評のまとめは今年は省略し、「わたしのベスト」だけをお伝えします。

では、次記事をごらんください。


2019-12-26 (Thu)

「訣別」上・下 マイクル・コナリー

「訣別」上・下 マイクル・コナリー

「訣別」上・下 マイクル・コナリー(2019年、講談社文庫、880円・900円)ハリー・ボッシュはロス市警を定年退職後、私立探偵業のかたわら、サンフェルナンド市警で無給の嘱託刑事として働き始めています。(良かった! やはりボッシュの居場所は警察ですから。)探偵ボッシュは、ある高齢の大富豪(結婚歴なし)から、こんな依頼を受けます。「若いころほんの短期間つき合った恋人とのあいだに、子どもができていた可能性がある...

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無題

「訣別」上・下 マイクル・コナリー
(2019年、講談社文庫、880円・900円)


ハリー・ボッシュはロス市警を定年退職後、私立探偵業のかたわら、サンフェルナンド市警で無給の嘱託刑事として働き始めています。(良かった! やはりボッシュの居場所は警察ですから。)

探偵ボッシュは、ある高齢の大富豪(結婚歴なし)から、こんな依頼を受けます。
「若いころほんの短期間つき合った恋人とのあいだに、子どもができていた可能性がある。
その子をさがし出してほしい。遺産を相続させたいから」

さっそく調査を開始するボッシュです。
「優秀なボッシュは必ずや的確な成果をあげるだろう」と、読者もボッシュ自身もわかっています。

この調査と並行して、嘱託刑事であるボッシュは、連続レイプ魔事件に取り組んでいます。
若いラテン系の女性刑事(その仕事熱心さをボッシュは大いに気に入っている)と組んで捜査にあたるなか、
終盤で、この女性刑事がたいへんな危機に巻き込まれます。

サンフェルナンド署の凡庸な警察官には、この難局は切りぬけられない。
でも、正規職員でないボッシュに捜査の主導権はない。
このジレンマ状況で、果たして女性刑事を救出できるのか。
ハラハラ、ドキドキ! このあたりの活劇要素がすばらしいです!

探偵業の「富豪の相続人さがし」のほうも、おどろきの結末とともに解決に向かいます。
(異母弟ハラー弁護士の協力も得て。)

ブラヴォー!
全体的にハイレベルなボッシュ・シリーズですが、なかでもきわだったできばえの作品だと思います。
初めてこのシリーズを読むという方も、じゅうぶん楽しめます。 オススメです!